【フリーランスの第一歩!】損をしない開業届とは

【フリーランスの第一歩!】損をしない開業届とは

2017.06.06 13:00

GIKUTASにご登録いただいいる作家のみなさまの中には、フリーや副業でイラストのお仕事をしている方、これから始めようとされている方などがさまざまな方がいらっしゃるかと思います。             

フリーや副業でお仕事を始めるにあたって気になることの1つに「開業届」があるのではないでしょうか。必ず届け出ないといけないのか、届け出ると何があるか、そもそも開業届ってなに?といった開業届に関する基本からお得な情報をお伝えします。

 

◆開業届ってなに?
◆提出方法
◆メリット
・青色申告を選択できる
・事業用の銀行口座を開設できる
・節税効果の高い「小規模企業共済」に加入できる
◆デメリット
・失業保険の給付対象外
・毎年確定申告が必要
・手続きや提出書類が多い
◆さいごに
 

 

1. 開業届ってなに?

一般的に言われている開業届とは正式には「個人事業の開業届出・廃業届出書」のことを指しています。

「新たに事業を開始したとき、事業用の事務所・事業所を新設、増設、移転、廃止したときまたは事業を廃止したとき」の手続きを行うために提出する書類です。

個人として事業を開始するのであれば必ず届け出なければいけません。

 

本業としてフリーランスの活動をする場合だけでなく会社員をしながら継続的に副業をする場合であっても、開業届は必要となります。

 

 

2. 提出方法

提出の流れはいたって簡単です。特に手数料などはなく、書類に記入をして税務署に提出するだけでOKです。

注意しなければいけないのが「事業の開始等の事実があった日から1ヶ月以内」の提出期限があります。

 

 

忘れずに準備したいのが原本控えです。

この後にご紹介するメリットを受けるための手続きに必要となってきます。

税務署側で用意してくれるものではないので記入した届出書をあらかじめコピーをとっておきましょう。赤字で「控え」と記載しておくとより丁寧です。

コピーを用意する際に注意があります。

平成28年よりマイナンバーの記載が必要となりました。原本への記載は必須ですが控えには記載不要ですので番号部分を黒ペンで塗りつぶすなどして対応しましょう。

郵送の場合は必ず切手を貼った返信用封筒を入れるのを忘れずに。

 

フリーランスでお仕事を始めるための準備はたくさんあるかと思いますがまずは開業届を提出しましょう。

 

ここだけの話、提出しなくても違法となるわけでも、罰則があるわけではありません。そのため、提出しないまま個人事業主として活動している方は多くいらっしゃいます。

しかし、開業届はただ「事業を始めました」というだけの書類ではありません。提出しないと受けられないメリットは存在します。

 

 

3. メリット

ここでは代表的なものをご紹介します。

 

◆ 青色申告を選択できる

フリーランスの場合、毎年必ず確定申告をしなければいけません。申告には「青色申告」「白色申告」の2つの方法がありますが、開業届を提出していると節税効果の高い「青色申告」を選択できるのです。主にどのような節税効果があるのか簡単にご説明します。

 

所得から最大65万円を特別控除できる【青色申告特別控除】

最大のメリットとなるのが「65万円の特別控除」です。帳簿のつけ方によって10万円(簡易簿記・現金式簡易簿記)もしくは65万円(複式簿記)を無条件に稼ぎからマイナスにできるのです。

ちなみに納める税金が10万円、65万円少なくなるわけではないので要注意です。税金は各種控除した後の所得額にかかってきます。つまり、所得控除を受け所得が下がれば、税金も安くなるということです。そうなると65万円の控除額はかなり大きいですよね。

 

「専従者給与」として家族への給料を必要経費にできる【青色事業専従者給与】

配偶者やその他家族に事業を手伝ってもらう場合、支給する給与を全額必要経費にできます。経費となるということは、その分所得が減る=課税対象額が少なくなる、ということです。

青色事業専従者給与の控除を受けるためには「青色事業専従者給与に関する届出書」の提出が必要です。

 

赤字を3年繰り越すことができる【純損失の繰越しと繰戻し】

事業から生じた赤字を3年間繰越すことができます

損失申告をすることで赤字になった年の翌年以後3年間は、黒字化しても赤字分を所得から差し引けるのでその分節税ができるというわけです。

 

ただし、以下のような条件がありますのでご注意ください。

とりあえず資金繰り優先したい場合などに有効です。

収入が不安定なフリーランスの方にとっては大きな特典ではないでしょうか。

 

30万円未満の減価償却資産を一括経費にできる【少額減価償却資産の特例】

パソコンやデスクなど、事業を行う上で購入する備品のうち30万円未満であれば、条件を満たすと全額経費として処理できるのです。

条件とは、以下のとおりです。

ほかにも注意点はありますが、利益が出すぎてその年の所得を減らしたい場合に利用すれば、節税にも繋がります。

 

青色申告のメリットはほかにもたくさんあります。ただし、特典を受けるには、開業届の提出と同時に、または提出後、その年の3月15日までに「所得税の青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。

また、帳簿付けなどが大変ということもありなかなか踏み切れない方は多いかもしれません。

しかし、手間以上に開業届をきちんと出して、青色申告の特典を受けられるようにしておく方が断然おすすめです。

 

◆ 事業用の銀行口座を開設できる

屋号で銀行口座を開設できます。屋号とは事業する上での名前のことです。お店や事務所の名称などが該当します。

事業を始める際に準備することとして事業用の銀行口座を開設する方がほとんどではないでしょうか。個人用と兼用でも問題はありませんが収支管理がとても煩雑になるため確定申告時にかなり苦労するかと思います。そのため新たに事業用の銀行口座を開設しましょう。

 

◆ 節税効果の高い「小規模企業共済」に加入できる

小規模企業共済とは個人事業主や会社役員、経営者などが事業を廃止・会社を退職する際に、それまで積み立てた掛金に応じて共済金を受け取れる制度のことです。

簡単に言うと個人事業主や経営者などのための退職金制度です。

条件はいくつかありますが中小企業の経営者や役員、個人事業主であれば加入の対象になります。

 

どのようなメリットがあるのか見てみましょう。

上記のうち掛金を全額控除、解約手当金を退職所得にできるなどは結構な節税効果になります。メリットは多いですが、短期間で解約してしまうと掛け捨てや元本割れになる可能性があるなどのデメリットもあります。

それでも少額から始められますし、加入期間が長ければ長いほど得をしますのでフリーランスの方は開業時から加入して損はないかと思います。

 

そこで加入に必要となるのが開業届です。申し込みの際、個人事業主の場合は所得税の確定申告書の控えが必要です。しかし、開業初年度は用意できません。そこで代用できるのが開業届の控えです。

フリーランスの方には魅力的な制度ですのでできちんと開業届を提出して加入を検討されてはいかがでしょうか。

 

 

4. デメリット

メリットは多いですが、デメリットも少なからずあります。

◆ 失業保険の給付対象外

失業保険は、自ら退職、解雇や倒産、定年などで離職し、再就職する意思があるにも関わらず、まだ再就職できないという方のために新たに仕事が見つかるまで給付されるものです。

そのため、開業届を提出している場合、「事業を始めている=仕事をしている」ことになるので給付の対象から外れる可能性が非常に高いです。

だからと言って、事業を始めいていることを隠して受給することは絶対はやめましょう。

不正受給となり給付金は全額返還に加え、不正受給分の2倍相当の金額を納付しなければなりません。

 

会社を辞めてから収入が見込めない場合は開業届を提出せずに失業保険を受け取る方がいいかもしれません。

 

◆ 毎年確定申告が必要

確定申告は給与所得や退職所得以外での所得が年間20万円以下であれば不要です。しかし、開業届を提出している場合は20万円以下であっても必ず確定申告しなければなりません。

 

◆ 手続きや提出書類が多い

開業届を提出すると受けられるメリットが多いのは間違いないのですが、特典を受けるには各種書類を提出する必要があります。

今までご紹介したメリットを受けるためにも上記のような書類を提出しなければいけませんので書類作成などの作業が苦手な人には大変かもしれません。

 

 

5. さいごに

開業届そのものの提出は難しいものではありません。ほかにも手続きがあるので面倒に思えてしまいますがデメリットを考えるよりもきちんと開業届を出してメリットを受ける方が懸命です。

これからフリーでの活動を考えている方はぜひ検討してみてはいかがでしょうか。