今回は、第3回イベント「ママイラストレーター座談会」と関連した企画として実施させていただいた、「パパ・ママイラストレーターアンケート」の結果を掲載いたします!
改めまして、今年で設立10年目を迎えるサーチフィールドは記念すべき節目の年に、GIKUTASを中心として現在「ミライラストレーターPROJECT」を行なっております。
10年後にも続くようなクリエイターの皆さまのつながりを作るをテーマに
・第1回 キックオフ・ミーティング
・第2回 セミナー
・第3回 ママイラストレーター座談会(前編)(後編)
と定期的にイベントを開催しており、「ママイラストレーター座談会」ではママイラストレーター4名の方に、育児とお仕事を両立させた働き方や考え方、苦労やよい点などをお話いただきました。
そして今回掲載させていただくのは、同じく育児とイラストレーターという仕事を両立されているパパイラストレーターおよびママイラストレーターを対象としたアンケートの結果となります。
今回は計19名の方にご回答をいただきました。
パパ・ママイラストレーターの方はもちろん、その他のイラストレーターの方やイラストレーター以外のみなさまにも、ぜひこの機会に「パパ・ママイラストレーター」という一つの働き方を少し知っていただけましたら幸いです。
※本アンケートは、弊社が独自に行ったアンケートの結果に基づくものであり、恐れ入りますが本来求めるべきアンケートの信頼度などは考慮しておりません。あくまでも一つの結果として、参考程度にご覧いただけますと幸いです。
■性別を教えてください。
女性18名、男性1名の合計19名の方にご回答いただきました。
■年齢を教えてください。
30代前半(31~35歳)の方が約4割、36歳以上の方が約4割となり、31歳以上の方が8割以上となりました。
残りの約2割は20~30歳の方となり、今回20歳未満の方はいませんでした。
■お住まいの地域を教えてください。
東京や大阪といった都市部がある、関東と近畿地方の方で約6割を占めていました。
しかし4割弱はその他の地方にお住まいであり、イラストレーターというお仕事が場所を選ばず可能なことが伺えます。
■お子さまの人数を教えてください。
1人の方が6割以上と多く、次いで2人の方が約2.5割、3人の方が約1割となり、今回4人以上の方はいらっしゃいませんでした。
■お子さまの年齢を教えてください。
(以下、子どもの人数25名に対しての割合で記載)
一番多かったのは1~3歳の約3.5割で、次いで7~12歳が約3割となり、第二子は少し時期をあけてのご出産を計画をされる場合も多いのではないか、という推測もできると考えています。
その他0~1歳未満は約1.5割、4~6歳は約1割となり、小学校入学前(0~6歳)が全体の約3分の2、小学生以上(7歳以上)が全体約3分の1となりました。30代の方が多いことを踏まえると、ご出産は20代後半~30代前半の方が多いかと考えられます。
■お相手(夫・妻)のご職業を教えてください。
会社員の方が7割以上と多く、公務員・教員・介護福祉士の方がそれぞれ約0.5割で、合わせると全体の9割程度となります。自営業・在宅・フリーランスの方は約1割程度となり、同じフリーランスや在宅で仕事をしている同士での結婚はそこまで多くはないのかもしれません。
■パパ・ママイラストレーター歴を教えてください。
6年以上の方が約5割となり経歴の長い方が半数近くを占めていますが、3~5年、1~2年、~1年未満の方もそれぞれ約1.5~2割と比較的経歴が浅い方の活動も少なくありません。
■年間のイラストレーターとしての仕事量を教えてください。
最も多いのが101万~200万円の方で約4割、次いで10万~50万円の方が約3割、51万~100万円の方が約1.5割、10万円未満の方が約0.5割と、200万円以下の方が合わせて全体の約9割程度となりました。パートナーの方の収入も踏まえた上で、育児と仕事を上手く両立させた働き方をされている印象を受ける結果ではないかと感じます。
もちろん201万~300万円の方が約0.5割と仕事に力を入れている方もいらっしゃいますが、これはある程度子どもが成長してからの働き方になるのではないかと考えられます。
■主な仕事の時間帯を教えてください。
7~12時が約3割と少し多くなっていますが、その他の時間帯も約2~2.5割と大差なくばらける結果となり、それぞれが自身の生活リズムに合わせて働いていることがうかがえます。
■(ママイラストレーターの方)出産前に仕事を停止した時期を教えてください。
1か月前未満の方が4割以上と最も多く、一般的な産前休暇の取得が「出産予定日の6週間前」からと考えると、出産予定日の近くまで働く人も多いと考えられます。
次いで1か月前の方が約3割となりますが、2か月前の方が約1割、4か月前以上の方も約1割と余裕を持って休みを取る方も少なくありません。
フリーランスや在宅での仕事をする人が多いイラストレーターという職業では、自身で仕事量や活動時間の調整がしやすいため、その利点を生かしていると考えられます。
■(ママイラストレーターの方)出産後に仕事を開始した時期を教えてください。
4か月後以上の方が約4割、3か月後の方が約2割で全体の約6割程度となります。一般的な産後休暇の取得が「出産の翌日から8週間」と考えると、少し長めにお休みを取られる場合も多いという結果となりました。
逆に1か月後の方が約2割、1か月未満の方も約0.5割と、短めのお休みを取る場合も少なくなく、上項目と同様に働き方の利点を生かしていることがうかがえます。
■子育てと仕事の両立が一番大変だと感じた時期はいつ頃ですか?(第一子の場合)
0~6か月が約3.5割と最も多いものの、次いで1~3歳が約2.5割、7~12か月が約2割と大きな差がなく意見が分かれており、4~6歳は約1割、7~12歳は約0.5割ということを踏まえても、それぞれの時期にその時期なりの大変さがあるのではないかと推測できます。
■他のパパ・ママイラストレーターさんとの知り合い・友人関係はありますか?
ある人、ない人がおよそ半々の結果となり、ある人でもあまり多くの人との繋がりがあるわけではないことがわかりました。
■他のパパ・ママイラストレーターさんとのつながりを広げたいと思いますか?
積極的に広げていきたいと思う方が約1割、機会があれば広げたいと思う方が約7割となり、多くの人が繋がりを持ちたいと思いつつも、その機会がない状況であることがわかりました。
■子育てをしていく中で関わりを持つようになった周囲の人たちに、イラストレーターであることを公開していますか?
親しい友人1~5人程度にはしている方が約4割、親しい友人6~10人程度にはしている方が約0.5割となり、限られた人には公開している人が約5割程度で、さらに基本的に公開している方約2.5割を加えると7割以上の人が公開していることがわかりました。
逆に、一切公開していない(基本的に公開しない)方も約2.5割となっており、公開することに対するデメリットを避けている人も少なくない状況です。
■息抜きやストレスの解消方法を教えてください。
趣味(インドア系:アニメ、ゲーム、料理など)が約3.5割と最も多く、次いでイラストを描くが約2.5割となっており、「イラストを描く」という仕事と同じ内容でも、しっかりと仕事と息抜きの切り替えたり、イラストに近い分野の趣味から刺激を受けることで、仕事にも活かしていくといった循環が想像できます。
逆に趣味(アウトドア系:スポーツ、ドライブ、ショッピングなど)が約1割、睡眠が約1割、カラオケや友人と会う、模索中といった回答もそれぞれ0.5割となるなど、体を動かしたりしっかりと休めたり、仕事とはあまり関係のないことをして息抜きをする人も4割近くおり、人それぞれの方法でうまく気持ちをリフレッシュさせているようです。
■同人誌の制作はしていますか?
していない方が約9割となり、多くの方が現在同人誌制作は行っていないという結果になった。やはり育児と仕事とい比べると、同人活動の優先度は低くなることがわかりました。
■子育てを経験したことで、イラスト制作において変わったと感じる点はありますか?
それぞれ内容は
①特になし
②1点あたりの制作時間が短くなった(効率的な仕事を意識するようなった)
③1点あたりの制作時間が長くなった(クオリティを重視するようになった)
④制作点数を制限したり、工数のかからない仕事を受けるようになった(仕事以外の余裕を作るようになった)
⑤制作点数を増やしたり、単価の高い仕事を受けるようになった(お金を稼ぐことを重視するようになった)
⑥描くイラストの絵柄やテイストが変わった
⑦イラストの好みが変わった
⑧その他
1点あたりの制作時間が短くなった(効率的な仕事を意識するようなった)方が9名、制作点数を制限したり、工数のかからない仕事を受けるようになった(仕事以外の余裕を作るようになった)方が10名と際だって多い結果となりました。
少数ではありますが特になし:3名という方もおり、必ずしも何かが変わるというわけではありませんが、育児や生活との両立を図っていくためには、仕事面で変えていく必要があると感じる場合が多いとわかりました。
またその他の項目では、「扶養内で働くために、確実に仕事をいただける会社様のご依頼を優先するようになった」という意見がありました。
■育児と仕事の両立を考えた際に、他の職業に比べてイラストレーターがよいと思う点は何ですか?
・子どもと多く一緒にいることができ、また子どもが家にいても仕事ができる。
・緊急時(病気やケガなど)に対応がしやすく、融通がきく。またその際に、周りへ迷惑をかけずに済む。
・生活の中での時間調整がしやすい。
といった意見が多くあがりました。
やはり在宅で家にいることが多く、スケジュールの調整や何か起きた時に対応しやすい点を利点と考えている方が多いようです。
■育児と仕事の両立を考えた際に、他の職業に比べてイラストレーターが大変だと思う点はありますか?
・子どもが一緒にいることでなかなかまとまって集中できる時間がない。
・子どもの状況にも左右されるため、仕事量や収入が安定しない。
・家にいる時間が長くなため、仕事と家事や育児のメリハリをつけにくい。
・保育園の審査が通りにくい。
といった意見が多くあがりました。
利点でもある点が、同時に大変な点にもつながっているようです。
また「保育園の審査が通りにくい」といった社会的な面でも苦労することがあるようです。
■今後、座談会やイベントなどで他のパパ・ママイラストレーターさんと会う機会があるとしたら、何か聞いてみたいことはありますか?
・よい作業時間確保の方法や効率的な仕事の進め方、家族の協力などどうしているか。
・子どもの面倒をみる時間と仕事をする時間の折り合いや、一日のスケジュールの組み方や工夫。
・子どもに関して利用している有益なサービス等。
・子どもに絵を教えたり(指導)する事はありますか?
といった質問があがりました。
こちらの点に関しては、今後何らかの形で改めて確認と公開をさせていただきたいと考えております。
■今後、父親・母親として子どもに見せていきたい父親像・母親像や、イラストレーターとして目指したい夢はありますか?
・家族を養える程度には稼いでいけるようになりたい。
・大人でも夢を持ち続けていること、成長し続けていることを見せていきたい。
・一つのことや好きなことを仕事にして取り組む姿勢を見せていくことで、子どもにも自分の好きな事を見つけて頑張っていってほしい。
・子どもがいつか触れるような、児童書や教科書などの仕事をしてみたい。
・仕事も家事も頑張って、子どもにもたくさん愛情を注いで良い家庭を作っていきたい。
という意見をいただきました。
こういった想いが日々を頑張っていく力の一つにもなっているのかと感じました。
いかがでしたでしょうか?
今回はママイラストレーターの方からのご回答が中心となりましたが、ご回答いただけましたパパイラストレーターの方は、ご自身が主に家事や育児を行いながら在宅で働き、奥様が会社勤めをして働いていらっしゃるようでした。
男性と女性で異なる部分もあるかと思いますが、共通する部分も多いかと思いますので、ぜひ多くの方に「ママイラストレーター座談会」の記事と合わせてご覧いただき、参考にしていただければ幸いです。
ご協力いただきました皆さま、誠にありがとうございました!